フコイダンの基礎知識

最近ちまたで静かなブームのフコイダンですが、フコイダンとは一体何なのか、少し触れておきます。フコイダンとは昆布やワカメ、もずくなどの褐藻類の粘質物に多く含まれる硫酸多糖の一種です。似た様な物質はナマコなどからも見つかっています。1913年にスウェーデンの科学者でウプサラ大学のキリン博士によって発見されました。その後しばらく脚光を浴びる事はありませんでしたが、1970年代より盛んに研究されるようになり、1996年の日本癌学会で制癌作用が報告されてから健康食品として注目を浴びるようになりました。2005年の慶應義塾大学の木崎昌弘教授らの研究により、F-フコイダンが人間の悪性リンパ腫の細胞にアポトーシス(細胞の自殺過程)を起こさせることが発見されました。

フコイダンの基礎知識2

アポトーシスのメカニズムについてもう少し触れておきましょう。前述の通り、アポトーシスとは、細胞の自然死のことをいいます。例えば花が咲き、やがて散っていくように人間の細胞も一定期間が過ぎると死んでいきます。人間の体内の器官の細胞は、プログラム化された細胞死(アポトーシス)により、新陳代謝をくり返しています。髪の毛が生え変わったり、傷口がかさぶたで塞がり皮膚が再生するのも似たような理屈からです。しかしながら、癌化した細胞は正常細胞のようにアポトーシスしなくなります。フコイダンのアポトーシス作用とは、癌細胞を自滅に追いこむ働きの事です。他の素材にはないフコイダン最大の特徴といわれています。今このフコイダンは専門家の間で最も注目されている物質です。

フコイダンの健康に対する効果

いわゆる健康食品のトレンドというのは時代によって変わっています。かつてはプロポリスであったり、アガリクス、メシマコブと言った健康食品がもてはやされました。これらの名前を聞いた事がある人も多いでしょう。それに対してフコイダンは知名度という意味でははるかに劣ります。しかしながら専門家の間ではこのフコイダンに対する期待が最も高いのです。なぜならフコイダンには特有のアポトーシス作用があるからです。他にも新生血管抑制(がん化した細胞周辺にがんの栄養補給路となる血管ができるのを防ぐ)作用、免疫力強化機能という効果もあるとされています。癌細胞というのは細胞再生の過程で誰の体にも宿ります。正常な体の人は免疫力が高いので、この癌細胞を退治出来ますが、免疫力が落ちると癌細胞が増殖してしまいます。フコイダンを摂取していればこのような流れを食い止める事が出来ると期待されています。また、放射線治療や抗がん剤による治療によって免疫力が低下している場合にも効果が期待されています。

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